2013年11月7日木曜日

Sleep Training

私は自分が育児を始めるまで、赤ちゃんというものはたくさん眠るようにできているものなのだと思っていた。何もしなくてもよく眠る赤ちゃんがいる一方で、まさか努力を重ねないと眠れるようにならない赤ちゃんがいるだなんて、想像もつかなかった!

息子は新生児のころから寝ない子だった。生後4週の時点で、一日の合計睡眠時間が6時間程度で、午前5時に目を覚ましてから午後6時まで一睡もせず、眠たそうな素振りも見せなかった。それが生後3ヶ月になると午前5時から午後9時まで一睡もしなくなり、おまけに生後4ヶ月になってからは夜泣きをするようになり、私は寝不足と疲労でフラフラになって、ついには幻覚まで見えるようになってしまった(家の中に巨大な毛虫がいる!と思ったらドアの蝶つがいだった…)。

何よりも気がかりだったのは、息子の成長のことだった。生後5ヶ月になった時点で、普通なら体重が6~8キロあってもよいはずなのに、息子は5.5キロしかなくて成長曲線から落ちこぼれてしまった。大食漢の子で、ミルクを1回に260ミリリットルも飲み干し、それを一日に7回も飲んでいるのに大きくならないのは、起きて活動している時間が長すぎるせいだろうか?それにしても、これだけ寝ていないのに息子が毎朝とてもさわやかに目覚めるのはなんでだろう?眠たくない赤ちゃんもいるのだろうか?

小児科で相談しても「寝ないのは普通のことよ」と言われてしまい、これは個性なのか、諦めるしかないのかと思っていたら、ご近所の方から「Sleep Trainingしてますか?」と言われ、いわゆる「ねんねトレーニング」のことを初めて知る。調べてみたところ、このトレーニングにはいくつもの方法があることがわかった。この3週間の格闘の結果を記しておきたいと思う。


 < Crying It Out >
アメリカの育児書をみると必ず載っているのがこの方法。これは、起きている赤ちゃんを一人でベッドに寝かせ、部屋のドアを一晩じゅう閉め切って、赤ちゃんがどんなに泣こうとも、様子を見に行くことも授乳も抱っこもしない、というスパルタ方式のやり方。本によっては、数分おきに様子を見に行くもの、抱っこで一旦泣き止ませてまた一人きりにするものもある。赤ちゃんにとってはものすごく辛いトレーニングで、泣いても誰も来てくれないストレスからベッドの柵を噛んだり、柵に頭を打ち付けたりといった自傷行為に走る子もいるらしい。この方法を3日も続けると赤ちゃんが一人で寝られるようになるというのだけど、私はどうしても賛同できないので、これは選択肢には加えないことにした。


< 夜中の断乳 >
赤ちゃんが夜中に泣いても、実際に空腹で泣いていることは少ないので、母乳やミルクはあげずに抱っこで寝かしつけるようにする、という方法。赤ちゃんも意外と早く適応してくれるようになると聞いていたのだけど、息子の場合は本当にお腹が空いて目を覚ましているようで、抱っこだけでは1時間ごとに泣くようになってしまったので2日で諦めてしまった。

あとで調べたり周囲に聞いたりしたところ、この方法は生後10ヶ月とか1歳になるころなど、もっと月齢が上になってから行うものらしいとわかった(息子よ、すまん!)。


< ジーナ式スケジュール >
夜泣きの原因は赤ちゃんの体内時計が乱れているからだという説がある。これは、特に夜泣き対策を謳ったものではないけれど赤ちゃんの体内時計を調整してあげる方法で、「7時 起床・授乳 8時 遊び 9時 朝寝」といったように赤ちゃんの一日のスケジュールが決められている。このスケジュールが驚くほど赤ちゃんの生活サイクルにぴったりで、無理なくスケジュールを守ることができる。たとえば8時50分ころに息子が泣き出したので、「9時 朝寝 とあるから、眠たいのかな」と思って抱っこでゆらゆら揺すってあげると、10分も経たずに熟睡してしまう。寝かしつけるのに30分以上もかかっていたのが嘘のようで、初日は本当にびっくりした!

日によって15~30分のズレはあるけれど、泣いている理由がすぐわかって対処が早くなったので、息子は一日中ご機嫌で過ごすようになった。そして、続けているうちに息子の体内時計が正常に戻ってきたのか、あくびを何度もするようになった。お昼寝の時間が最初は15分だったのが、次第に30分、1時間、1時間半とのびていった。夜は、最初はなんと1時間おきに起きてしまったのが、一度に寝られるのが1時間半、2時間とのび、3時間は寝てくれるようになった。


Sleep Trainingとは異なるけれど、息子の眠りを助けるためにしていることは以下のとおり。


< 添い寝 >
これはなかなか効果的で、息子がモゾモゾし始めたときに、息子のおなかや背中を優しくトントンしてあげると再び眠りに戻ってくれる。それまでは目が覚めたと同時に「わー」と大泣きしていたのが、すぐ隣に私がいることで安心するのか、泣かなくなった。私が自分のために時間を使いたくなったときは、息子を起こさないように細心の注意を払いながら私とクッションをすり替えている。


< バーストラウマの解消 >
息子はまた、よく泣く子でもあった。怖がりなのか、生後3ヶ月になるまではオムツ替えやお風呂の度に、まるでこの世の終わりであるかのような悲痛な叫び声をあげて泣いていたし、抱っこ紐を使うときなど初めてのことを経験するときにはたいてい大泣きしてしまう。

バーストラウマについては、これもやはりご近所の方から情報をいただいて初めて知ったものだった。生まれるときに長い時間がかかったり、陣痛促進剤などの人工的な処置を経て生まれたりした赤ちゃんや、生まれてすぐに保育器に入れられて母親から引き離された赤ちゃんは、「苦しい思いをした」「寂しい思いをした」という原始記憶が残ってしまい、よく泣く子や寝ない子になってしまう、という説。

実はこれには、ものすごく心当たりがあった。私が出産したとき、自然に陣痛が起きて分娩が始まったのではなく、妊娠36週のときに異常が見つかって緊急入院してそのまま出産することになったのだった。3日間にわたって陣痛促進剤などの人工的な処置を経て産まれてきて、生後すぐにNICUの保育器に入り、その後も黄疸の治療で再び保育器に入り…と、苦しさと寂しさをこれでもかというほど息子は味わっていたのだ。こういう経験をした赤ちゃんには、とにかくたくさん触れてあげることと、「もう大丈夫だよ」と語りかけてあげることが大切だという。

このことを知った日、私は息子に「たくさん苦しませてごめんね。ずっと寂しかったね。赤ちゃんなのにたくさん我慢させてごめんね。もう苦しくないよ、寂しくないよ。これからはいつでもママがいるよ。ずっとずっと一緒だよ」と何度も語りかけ、息子が起きている間はずっと抱っこし続けた。すると、その日の息子の合計睡眠時間は最長の13時間を記録し、翌日からお昼寝を2時間半するようになった。


< 語りかけ >
…ここまでいろいろと手を尽くしてきたけれど、息子はなぜか毎日、午前2時と4時に目を覚ましてしまうし、この間ずっと起きたままのことも多い。成長ホルモンが多く分泌される時間帯なので、母としてはできることならこの時間には息子に眠っていて欲しいところ。

そこで、息子を抱っこしながら、「××ちゃん、おねんねが上手になってきたね。うれしいねぇ。今度は、夜中の2時から4時までぐっすり眠れるようにがんばってみようか?この時間は××ちゃんが大きくなれる大事な時間なんだよ。大きくなって、おすわりできて、ハイハイできて、歩けるようになったら楽しいよ。××ちゃんが大きくなってくれたらママはとってもうれしいな」と話しかけてみた。

すると、息子は12時から朝の5時まで連続で眠ってくれて、夜間の睡眠時間としては最高記録を達成することができた。翌日以降も、4時まではきっちり眠ってくれるようになった(今度は、毎日午前4時に起きるというリズムがついてしまった!)。


…そんなこんなで、息子のねんねトレーニングはまだ迷走中だけど、もし今辛い思いをしているお父さんお母さんがこれを読んで、「諦める前に何かやってみようか?」と前向きな気持ちになってもらえたなら幸いです。赤ちゃんが寝ないこと、特に夜泣きは親にとっては本当に辛い。心と身体の両方から追い込まれていくので、ノイローゼになってしまう方がいるのもとてもよく理解できる。

赤ちゃんが泣くのは、誰が悪いわけでもなくて、そこには赤ちゃんからの何か必死の訴えがあるのかもしれない。赤ちゃんのためにもお父さんお母さんのためにも、それを汲んであげられる気づきの方法がうまく見つかりますようにと、願っています。